拷問横行・強制労働30万人 中国
米議会委が実態聴取 刑事訴追手法ずさん
【ワシントン28日=古森義久】中国の人権や法の統治を調べ、米中経済関係の指針にするという米国議会上下両院合同の「中国に関する議会執行委員会」は二十六日、中国の刑事司法に関する討論会を開き、専門家の証言を聞いた。この証言は中国の刑事訴訟の仕組みが国際標準に達していないとし、法的根拠のあいまいな拷問や強制労働の実態の一端を明らかにしたうえ、現在の強制労働の従事者として三十万人という数字を報告した。
マックス・ボウカス上院議員(民主党)とダグラス・ビーライター下院議員(共和党)を正副委員長とする同執行委員会は二十六日の「中国の刑事司法システム」と題する討論会で、まず中国の法制度に詳しいニューヨーク大学のジェローム・コーエン教授が「中国の刑事訴追プロセスは最低限の国際標準の順守に達しておらず、被告に弁護人がつくことは全体の三分の一以下、証人の出廷もまずない。もし被告が弁護士との協議で供述を変えた場合、その弁護士が当局から弾圧される」と証言した。
第二の証人のウエスタンミシガン大学のミューレイ・タナー教授は、中国の拷問を取り上げ、中国の刑事捜査では拷問が不可欠なほど広がっていると述べ、(1)中国の拷問は当局者自身が犯罪捜査の『敏速で実効のある操作テクニック』と認めるほど非常に広範に実施されている(2)中国当局が九四年ごろの一年間に合計二百四十一人が拷問の結果、死亡したことを認めたように、刑事事件捜査では拷問が恒常的な方法となっている−などと証言した。
第三の証人の香港出身のカーネギー国際平和財団上級研究員ベロン・メイイン・フン弁護士は中国での強制労働について「刑法違反で軽い刑に処された人間を収容所に入れ、再教育のための労働改造に科すとされているが、『軽い刑』の定義も不明だし、強制労働自体の法的根拠もあいまいだ」と証言した。
フン氏はこれまで強制労働に処された中国人は合計で三百五十万人にのぼり、いま中国各地で強制労働のため収容所に入れられている人間は合計約三十万人だと述べ、うち最低一千人は法輪功の関係者だと証言した。この種の再教育には麻薬患者もいるが、それより多くの政治犯がおり、法的な根拠が不明だとしている。
[産経新聞ネット報道 2002年07月29日(月)]